#236 重量単価推計対象部門を拡張

石川 明, 加藤 丈佳, 鈴置 保雄, 産業連関表を用いた機械装置重量とCO2排出量の関係の検討:CO2排出量の簡易推計のために, 日本LCA学会誌, 2008, 4 巻, 4 号, p. 349-358では、表236-1に示すエネルギー機器を中心とした一般機械の重量原単位[t/百万円]について計算をしています。

表236-1 検討の対象とした部門(列)(石川ら(2008)より引用

本研究で新たに、表236-2に記載の部門(列)を検討の対象に追加して、重量原単位を計算し、その妥当性について検証を行います。

表236-2 本研究で新たに追加した部門(列)

なお、重量原単位(重量単価)の算出の詳細については、投稿#234を参照してください。

計算対象外とした非金属材料の金額割合

重量原単位を計算した部門(列)において、計算対象外とした非金属材料の金額割合が1.0%を超える部門(列)を示すと、表236-3のようになります。表中の列nonmetal_outofobが、計算対象外とした非金属材料の金額割合に該当します。

表236-3 計算対象外とした非金属材料の金額割合

その他の船舶では、金額で5.7%を占めていて、うち合板が2.0%、次いで製材1.3%となっています。これら2部門は重量原単位(重量単価)が比較的大きいことが予測されます。また、これらがその他の船舶の製品重量に占める割合を無視することはできないと推測されます。

したがって、本研究では、その他の船舶を重量原単位(重量単価)計算対象から外すことにします。

その他の船舶に次いで、計算対象外とした非金属材料の金額割合が大きい部門(列)は変圧器・変成器で、金額で3.2%を占めています。うち2.2%が工業用陶器であり、石川ら(2008)によると、これらは碍子類であると推測されます。

これらは碍子類と推測される。これらが、変圧器・変成器の重量に占める割合は大きくないと推測されるので、本論文ではこの部分に関する重量は計算対象外として扱う。

石川ら(2008)より引用。

石川ら(2008)では、変圧器・変成器における計算対象外とした非金属材料の金額割合が2.0%で、うち1.3%が工業用陶器でした。本研究では、それぞれの数値が異なっていますが、石川ら(2008)と同様に考えて、この部分に関する重量は計算対象外として扱うことにします。

次に、電池に目を向けると、金額割合が2.8%を占めています。うち1.4%がその他の無機化学工業製品でした。その他の無機化学工業製品のうち、どの細品目が該当するのか推測が困難です。

また、回転電気機械においては、金額割合が1.6%を占め、うち1.3%が炭素・黒鉛製品でした。炭素・黒鉛製品のうち、どの細品目が該当するのか推測が困難です。

本研究では、推測が困難なことに加えて、割合が1.0%台であることから、これらの部分に関する重量は計算対象外として扱うことにします。

上記4部門以外については、非金属材料で計算対象外とした金額割合は1.0%以下であるので、石川ら(2008)と同様に計算対象外として扱うことにします。

計算対象外とした精密機械や電子機器等の工業製品の金額割合

計算対象外とした精密機械や電子機器等の工業製品の金額割合について、7.5%以上の部門(列)を表236-4に示します。列manu_outofobが該当します。

表236-4 計算対象外とした精密機械や電子機器等の工業製品の金額割合

この比率が大きい部門は事務用機械や民生用電子機器で15%を超える金額割合を占めている。うち10%を超えているのが、その他の電子部品または集積回路のいずれか、もしくは両方となっています。

これらの部分が事務用機械や民生用電子機器の製品重量に占める割合は無視できないほどにあると推測されます。したがって、本研究では事務用機械と民生用電子機器を計算対象から除外することにします。

また、その他の産業用重電機器以下の部門について、その他の電子部品、集積回路のいずれも、2%を超えて10%未満となっています。いずれも重量原単位に大きな影響を与えないと考えられるため、本研究ではこれらの部分に関する重量は計算対象外として扱うことにします。

重量原単位の計算対象から外した部門(列)

以上より、重量原単位の計算対象から外した部門(列)を列挙すると、表236-5のようになります。

表236-5 重量原単位の計算対象から外す部門(列)

次回の投稿では、上記の表に記載した部門(列)を除外した部門の重量原単位(重量単価)を計算し、その妥当性を検証していく予定です。

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