#271 2000年から2010年の山梨県におけるマテリアルフローの時系列分析

前回の投稿において、2010年山梨県におけるマテリアルフローの推計を途中経過を示しました。今回の投稿は、それを完成させ、2000年から2010年まで時系列(5年毎)に分析を行っていきます。

山梨県におけるマテリアルフローの推計結果

図271−1に、2000年・2005年・2010年山梨県におけるマテリアルフローの推計結果を示します。2000年の推計結果は島崎(2008)からの引用ではなく、本ブログにて推計した結果になります。



図271−1 山梨県におけるマテリアルフローの推計結果

ここでは、2000年の値を基準に考察を行っていきます。着量は、2000年の7,692ktに対し、2005年に7,085kt、2010年に4,779ktであり、2005年が607ktの減少、2010年が2,913ktの減少となりました。着量の減少要因は、金属機械工業品になります。

発量は、2000年の3,474ktに対し、2005年に6,839kt、2010年に4,618ktであり、2005年が3,365ktの増加、2010年は1,144ktの増加となりました。発量の増加要因は、鉱産品、金属機械工業品、化学工業品、軽工業品になります。

次に、山梨県の内部流動は、2000年の17,865ktに対し、2005年に10,854kt、2010年に9,419ktであり、2005年が7,011ktの減少、2010年が8,445ktの減少であり、鉱産品および金属機械工業品が大きく減少しています。特に、発量では増加傾向にある鉱産品が内部流動量では大幅な減少傾向にあることがわかります。

着量と内部流動量の合計である総着量(着産業業種別)は2000年の25,556ktに対し、2005年が17,938kt、2010年が14,198ktであり、2005年に0.70倍、2010年に0.56倍と減少しています。

発量と内部流動量の合計である総発量(発産業業種別)は2000年の21,338ktに対し、2005年が17,693kt、2010年が14,037ktであり、2005年に0.83倍、2010年に0.66倍に減少しています。

総発量と総着量の差から得られる山梨県の物質収支を比較した場合、2000年は県内からの出荷量より4,218kt多く、県内へ入荷したのに対し、2005年と2010年は出荷量より246ktと161ktそれぞれ多い入荷量となりました。したがって、山梨県の物質収支は最初の5年間でマイナスの値が大きく減少し、後の5年間はマイナスの値がほぼ横ばいであったことがわかります。

図271−2は、鉱産品の総着量と総発量の時系列変化をそれぞれ示したものになります。鉱産品のほとんどは砂利・砂・石材であり、総着量、総発量ともに2005年に大きく減少し、2010年はほぼ横ばいになっています。また、その他の非金属鉱物も2005年に大きく減少しています。物質収支に注目すると、砂利・砂・石材の物質収支は一貫してプラスになっています。

図271−2 鉱産品品目別の総着量と総発量の時系列変化

図271−3は、化学工業品の総着量と総発量の時系列変化を示したものになります。化学工業品は総着量と総発量の推移が、2005年に増加し、2010年に減少する傾向が同じになっています。品類別に着目した場合、窯業品が占める割合が多く、これは生コンクリートやセメント製品を示しています。

図271−3 化学工業品品類別の総着量と総発量の時系列変化

図271−4は、金属機械工業品の総着量と総発量の時系列変化を示したものになります。金属機械工業品の総着量と総発量は2005年に減少し、2010年に増加する傾向です。特に2010年に増加した品類は、鉄鋼、非鉄金属です。

図274−1 金属機械工業品の総着量と総発量の時系列変化

以上のことから、山梨県の物質収支について、最初の5年間において物質収支のマイナスの値が大きく減少したのは、県内に入荷される砂利・砂・石材と鉄鋼が大きく減少したことが要因として挙げられます。

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