#201 重量単価初期値の推計方法について

投稿#200より、平成17年産業連関表(統合小分類)の各品目の重量単価初期値推計に取り組んでいます。それと前後するのですが、推計方法の大枠について本投稿で述べていくことにします。

品目別国内生産額表の利用

初期重量単価の設定は,品目別国内生産額表を用いて行う。品目別国内生産額表は,産業連関表に付帯する資料であり,日本標準産業分類の基本分類の品目について生産額と生産量が記載されている。品目数は,2000 年の品目別国内生産額表においては 約3,300となっている。ここに記載されている生産量や生産額は,漁業・養殖業生産統計や国有林野事業統計書,畜産統計,果樹生産出荷統計,作物統計など様々な統計に基づいている。

本研究でも、品目別国内生産額表を用いて行っていきます。

橘 隆一, 近藤 浩正, 荒川 正幹, 後藤 尚弘, 船津 公人, 藤江 幸一, 産業連関表を用いた重量単価の最適化モデルの開発と神奈川県のマテリアルフロー分析への応用, 環境科学会誌, 2012, 25 巻, 2 号, p. 134-150より引用

品目別国内生産額表から重量単価初期値を直接推計できる場合

品目別国内生産額表には,各品目の生産量および生産額が記載されている。したがって,生産額を生産量で割ることによって,各品目の重量単価を推算することが可能である。

橘ら(2012)より引用

投稿#200においては、

0111 穀類
0115 その他の食用作物

の各品目の生産量および生産額が、品目別国内生産額表と同じ付帯表である物量表に記載されていたので、物量表に記載の生産量値を直接、重量単価初期値の推計に利用しました。

品目別国内生産額表に生産量が重量ではない形で記載されている場合

しかしながら,一部の品目に関しては,生産量が重量ではなく個数や面積を単位として記載されている。そこで,これらの品目については, Web上の公開情報や製品カタログなどを参考にいくつかの製品重量を調べ,その平均値を取ることにより重量を設定した,また必要に応じて,実物の重量を測定することによる製品重量の決定も行った。

橘ら(2012)より引用

投稿#200では、上記のケースは見受けられませんでした。今後、そのようなケースに遭遇したら、本ブログに詳細を記述する予定です。

品目別国内生産額表に生産量が記載されていない場合

平均重量を調べることが不可能であった品目や,生産量が記載されていない品目については,より大きい分類の平均重量単価を用いた。品目月国内生産額表は,基本分類もしくはさらに細かい分類となっているが,都道府県の産業連関表の部門分類は最も細かい分類で,小分類である。よって, 基本分類の重量単価を加重平均し,小分類の重量単価とした。

橘ら(2012)より引用

投稿#200では、

  • 0112 いも・豆類
  • 0113 野菜
  • 0114 果実
  • 0116 非食用作物

の各品目において、生産量が記載されていない品目が散在していました。

そこで、以下の方法によって重量単価初期値を推計しました。

  1. 作物統計などの他の統計資料に生産量が記載されている品目については、他の統計資料に記載の生産量を利用します。
  2. 他の統計資料を用いても生産量を把握できない品目については、それらの品目の生産額を推計から除外します。そうすることで、橘ら(2012)が言及している「より大きい分類の平均重量単価を用いた」ことになると考えました。

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