#224 2005年(平成17年)産業連関表におけるガラス製品の重量単価初期値の推計
今回の投稿は、2005年(平成17年)産業連関表におけるガラス製品の重量単価初期値の推計についてです。
2511 板ガラス・安全ガラス
平成17年品目別国内生産額表では、安全ガラス・複層ガラスに分類される以下の細品目については、単位が平方米で生産数量の記載がありました。
- 2511012101 合わせガラス(自動車用)
- 2511012102 合わせガラス(その他)
- 2511012103 強化ガラス
- 2511012104 複層ガラス
上記の細品目の生産数量については、平成17年窯業・建材統計年報にも、同じ値が掲載されていました。
したがって、品目別国内生産額表には生産数量の記載がないが、窯業・建材統計年報には生産数量の記載がある以下の細品目、つまり、板ガラスに分類される以下の細品目については、窯業・建材統計年報の生産数量の値を利用することにしました。
- 2511011101 普通板ガラス
- 2511011102 変り板ガラス
- 2511011103 磨き板ガラス
窯業・建材統計年報における、上記の細品目の生産数量の単位は、1換算箱となっています。一般社団法人板硝子協会のサイトによると、
換算箱:1換算箱は、厚さ2mm、面積9.29㎡の板ガラスの数量をあらわす単位。
となっています。
また、こちらのサイトでは、ガラスの比重は「2.5」と紹介しています。
したがって、1換算箱におけるガラスの質量は、
面積9.29(㎡) × 暑さ2 × 10^-3 (m) × 2.5 = 0.04645t
と算出することができます。
次に、生産数量の単位が平方米となっている安全ガラス・複層ガラスの重量換算値[t/平方米]を、平成12年の品目別国内生産額表と橘ら(2012)が推計した平成12年の重量単価初期値から推計します。
- 板ガラスに分類される細品目については、平成12年窯業・建材統計年報に記載の生産数量[1換算箱]および1換算箱あたりの質量から、板ガラスに分類される細品目の生産量[t]の合計を算出します。
- 平成12年の品目別国内生産額表に記載の生産額から、上記1. の板ガラスに分類される細品目の生産額の合計を算出します。
- 安全ガラス・複層ガラスに分類される細品目の生産数量[平方米]、生産額のそれぞれの合計値を算出します。
- 上記2.で算出した板ガラスの生産額の合計値と、3.で算出した安全ガラス・複層ガラスの生産額の合計値を足し合わせたものに、橘ら(2012)が推計した平成12年の2511 板ガラス・安全ガラス の重量単価初期値を乗じます。
- 上記4で算出した、板ガラスと安全ガラス・複層ガラスの生産量[t]の合計値から、上記2.で算出した板ガラスの生産量[t]の合計値を差し引いたものを、上記3.で算出した安全ガラス・複層ガラスの生産数量[平方米]で除して、重量換算値[t/平方米]を算出します。
- 上記1.と同様にして、平成17年窯業・建材統計年報に記載の生産数量の[1換算箱]および1換算箱あたりの質量から、板ガラスに分類される細品目の生産量[t]の合計を算出します。
- 上記2.と同様にして、平成17年の品目別国内生産額表から、板ガラスに分類される細品目の平成17年の生産額の合計を算出します。
- 上記3.と同じようにして、安全ガラス・複層ガラスに分類される細品目の平成17年の生産数量[平方米]、生産額のそれぞれの合計値を算出します。
- 上記7.で算出した板ガラスの生産額の合計値と、8.で算出した安全ガラス・複層ガラスの生産額の合計値を足し合わせます。
- 上記8.で算出した安全ガラス・複層ガラスに分類される細品目の平成17年の生産数量[平方米]に、上記5.で算出した重量換算値[t/平方米]を乗じて、安全ガラス・複層ガラスに分類される細品目の平成17年の生産量[t]の合計を推計します。
- 上記6.で算出した板ガラスに分類される細品目の生産量[t]の合計と、上記10.で算出した安全ガラス・複層ガラスに分類される細品目の平成17年の生産量[t]を足し合わせます。
- 上記7.で算出した板ガラスに分類される細品目の平成17年の生産額の合計と、上記8.で算出した安全ガラス・複層ガラスに分類される細品目の平成17年の生産額の合計を足し合わせます。
- 上記11.の値を上記12.の値で除することで、平成17年の2511 板ガラス・安全ガラス の重量単価初期値を推計します。
2512 ガラス繊維・同製品
平成12年及び平成17年の品目別国内生産額表において、2512011301 光ファイバ(素線)以外の細品目については、生産量[t]と生産額の両方が記載されています。したがって、以下の方法で平成17年の重量単価初期値を推計しました。
- 平成12年の品目別国内生産額表と、橘ら(2012)が推計した平成12年の重量単価初期値を用いて、2512011301 光ファイバ(素線)の平成12年の重量単価を推計します。
- 上記1.で推計した 2512011301 光ファイバ(素線)の重量単価が平成17年のそれと等しいと仮定し、生産額を乗じて、平成17年の 2512011301 光ファイバ(素線)の生産量[t]を推計します。
- 全ての細品目の生産量[t]が出揃ったので、2512 ガラス繊維・同製品の平成17年の重量単価初期値を推計します。
2519 その他のガラス製品
以下の細品目について、生産量[kgまたはt]と生産額の両方が平成17年の品目別国内生産額表に記載されていました。今回は、これらの生産量と生産額の値を利用して重量単価初期値を推計しました。
- 2519091101 光学ガラス素地(眼鏡用を含む)
- 2519091102 電球類用ガラスバルブ(管,棒を含む)
- 2519091103 電子管用ガラスバルブ(管,棒を含む)
- 2519091104 ガラス管・棒・球(電気用を除く)