#190 生産額の積み上げと把握率αの推計
投稿#189より、全国における統合小分類別の生産量を推計しています。推計作業を行う中で、作業方法に修正を加える必要が生じました。
今回の投稿では、推計作業の修正について記載していきます。
生産額の積み上げ
『産業連関表係数編Ⅰ』に掲載されている部門別品目別国内生産額表に記載されている細品目を対象として、県内生産物を各種生産統計から収集・積み上げ、産業連関表統合小分類の生産物量を推計した。同時に生産額についても積み上げ算定した。
吉田 徹, 林 周, 仁連 孝昭(2006)物質フローを組み込んだ地域産業連関表の作成と分析 滋賀県を事例としてより
本研究に適応するにあたっては、平成23年基準で推計した平成26年大阪府産業連関表を使用する予定なので、平成23年部門別品目別国内生産額表に記載されている細品目を対象とすることになります。
生産量と同時に生産額についても積み上げ算定する必要が生じました。
次回の投稿から生産量に加えて、生産額についても積み上げ算定していくことにします。
補正係数(把握率)アルファによる補正
細品目を産業部門ごとに積み上げた生産額は必ずしも産業連関表に表示されている生産額と等しくならない。 各種統計に計上されている生産額と生産品目別の生産量を可能な限り計 上したが、それでも過不足が生じる場合には、次式(1)により生産量を補正した。 産業連関表 の生産額を基準として 、積み上げ生産額との比を補正係数として生産量を補正した。
(中略)
$${\alpha^J}_i$$ を全国の生産額の把握率とすると、 以上を式で表すと次のようになる。
(中略)
$${YP^j}_i = {α^J}_i × {YM^{JC}}_i・・・・・・ (3)$$
$${YP^J}_i: 全国生産量 $$
$${YP^{JC}}_i:i産業の積み上げた全国生産量(作成データ)$$
$${α^J}_i=\frac{YM^{JI}_i}{YM^{JC}_i}・・・・・・ (4) $$
$${YM^{JI}}_i:i産業の域内生産額(産業連関表) $$
$${YM^{JC}}_i:i産業の積み上げた域内生産額(作成データ)$$
生産量の推計において、統計制約上、生産量が得られない品目が存在することから、生産量と同時に生産額を推計・積み上げることで補正係数(把握率)αを産業部門別に推計することも、今後行っていくことにします。