#269 2005年山梨県におけるマテリアルフロー推計
前回の投稿までにおいて、島崎(2008)の追試、つまり、2000年山梨県のマテリルフローおよび物質循環の指標について算出してきました。
追試の実行により、推計方法に慣れることができたので、今回の投稿から、投稿#268の続き、つまり、2005年山梨県のマテリアルフロー推計に戻ります。
2005年山梨県におけるマテリアルフロー推計の途中経過
2005年山梨県におけるマテリアルフローについて、投稿#268までに推計し終えた箇所を示すと、図269−1のようになります。

図269−1 2005年山梨県マテリアルフロー推計の途中経過
後は、図269−1で空欄になっている箇所、つまり、着産業業種別総着量と発産業業種別総発量を推計すればいいことになります。
2000年〜2005年の5年間での時系列分析
図269−2に、本ブログで推計した山梨県におけるマテリアルフローの推計結果を2段に分けて掲載します。

図269−2 山梨県におけるマテリアルフローの推計結果(※両者とも本ブログで推計したもの)
着量は、2000年の7,692ktに対し、2005年は7,085ktであり、507ktの減少となりました。発量は、2000年の3,474ktに対し、2005年は6,839ktであり、3,365ktの倍増となりました。
着量の減少要因は金属機械工業品であり、発量の増加要因は、鉱産品、金属機械工業品、化学工業品、軽工業品であることが分かります。
次に、山梨県の内部流動量は、2000年の17,865ktに対し、2005年は10,854ktであり、7,011ktの減少であり、鉱産品と金属機械工業品が大きく減少しています。
特に、発量では大幅な増加傾向にある鉱産品が内部流動量では減少傾向にあります。
着量と内部流動量の合計である総着量(着産業業種別)は2000年の25,556ktに対し、2005年は17,938ktであり、減少しています。
発量と内部流動量の合計である総発量(発産業業種別)も2000年の21,338ktに対し、2005年は17,693ktであり、減少しています。
総発量と総着量の差から得られる山梨県の物質収支を比較した場合、2000年は県内への入荷量が県内からの出荷量より4,218kt多くなったのに対し、2005年は入荷量が出荷量を295kt上回る結果となりました。
したがって、山梨県の物質収支は、5年間でマイナスの数値が減少したことがわかります。