#262 偉大なるマンネリを繰り返す
日に日に増していく、産業連関表への思い
投稿#257において、産業連関表からしばし離れることを表明しました。それを受けて、投稿#258から物流センサスを用いた山梨県のマテリアルフロー推計に取り組んでいました。
ところが、その取り組みのさなかに「もう一度、産業連関表を用いたマテリアルフローの推計をやってみたいな」という思いがふつふつと湧いてきました。
物流センサスを用いた場合、統合中分類単位での分析が厳しいことが予想されます。一方、私自身の中では、統合中分類単位での分析に取り組んでみたいという思いが強くなってきました。
以前に、noteにおいて、岩手県内の製造業におけるマテリアルフローおよび環境効率指標の推計に着手したことがあります。このような統合中分類単位でのマテリアルフローおよび環境効率指標の推計には、産業連関表(と産業廃棄物実態調査報告書)を用いるのが適切ではないかと考えています。
偉大なるマンネリを繰り返す
私が私淑する堀正岳氏の『知的生活の設計』の中に「偉大なるマンネリを繰り返す」という一節があります。
ある人にしか書けない短編小説のパターン、絵のネタ、模型のスタイルといったように、個性がメディアと触れ合ったところに偉大なるマンネリが生まれることがあります。もし、あなたの知的生活がそうした鉱脈にぶつかったならば、そこには大きなチャンスがあります。あなたにとって繰り返すこと自体が喜びであるような生産のパターンが、人の求める商品になるのです。
私の在野研究が人の求める商品になるかはさておき、産業連関表を用いたマテリアルフロー推計は、繰り返すこと自体が喜び(に近い)生産のパターンのようです。
振り返ってみても、これまで一時撤退や方針転換を繰り返しながらも、最終的に産業連関表に帰着してきました。そして、今回もまた、産業連関表に立ち戻ることになっています。
というわけで、次回の投稿から、産業連関表を用いた地域マテリアルフロー分析をリスタートさせていこうと思います。