#255 2005年(平成17年)産業連関表における鉱業の初期重量単価推計(その2)
今回の投稿は、投稿#205で行った、2005年(平成17年)産業連関表における鉱業の初期重量単価推計の再検討および変化率の設定についてです。
初期重量単価の推計方法を整理
最初に、初期重量単価の推計方法について整理を行います。2000年産業連関表における初期重量単価の推計について、部門別品目別国内生産額表から各産業の生産単位、生産数量、生産額のデータを引用することを基本として、各産業の初期重量単価を以下の手順で推計しました。
- 産業内製品の生産単位が全て重量表示の場合、それらの値を用いて算出。
- 産業内製品の生産単位の一部が重量表示の場合、その一部のみを用いて1. と同様に推計
- 産業内製品の生産単位に一つも重量表示が含まれないが、重量換算値が既存の統計資料から得られる場合、その重量換算値を用いて重量に換算
- 産業内製品の生産単位に一つも重量表示が含まれず、重量換算値が既存の統計資料を得ることが困難な場合、全国貨物純流動調査(物流センサス)の出荷原単位を用いて重量単価を算出
- 既に推計が完了している他の類似の産業と重量単価が同等と仮定して推計
- より大きい分類の平均重量単価を利用
- 産出物の材料となる投入物の重量を推計
- 物量表の値を利用
- 産業の産出がないため重量単価を設定しない
- 橘ら(2012)が推計した2000年初期重量単価をそのまま利用
0611 金属鉱物
0611011 鉄鉱石については、平成17年産業連関表付帯表である物量表に記載の生産量および生産額を直接利用しました。
それ以外の細品目については、品目別国内生産額表に記載の生産量または含有量、生産額を直接利用しました。
したがって、初期重量単価の推計方法は1.となります。変化率下限・上限はどちらも0に設定しました。
0621 窯業原料鉱物
品目別国内生産額表に記載の生産量および生産額を直接利用しました。
したがって、初期重量単価の推計方法は1.となります。変化率下限・上限は2000年次と同様に、下限を-0.2、上限を0に設定しました。
0622 砂利・砕石
品目別国内生産額表に記載の生産量および生産額を直接利用しました。
したがって、初期重量単価の推計方法は1.となります。変化率下限・上限は2000年次と同様に、どちらも0に設定しました。
0629 その他の非金属鉱物
0629099203 その他の非金属鉱物 以外の細品目については、品目別国内生産額表に生産量と生産額の両方が記載されているので、それらの値を直接利用しました。
したがって、初期重量単価の推計方法は2.となります。変化率下限・上限は2000年次と同様に、下限を0、上限を0.2に設定しました。
0711 石炭・原油・天然ガス
07110111 石炭については、品目別国内生産額表に記載の生産量および生産額を直接利用しました。
0711012101 原油については、品目別国内生産額表には、生産量がklで記載されていました。今回は、0.865t/klとして重量換算しました。
0711013101 天然ガスについては、品目別国内生産額表では、生産量の単位が千立方米でした。今回は、0.714t/千立方米として重量換算しました。
したがって、初期重量単価の推計方法は3.になります。変化率下限・上限は、2000年次の0721 原油・天然ガスと同様に、下限を0.2、上限を0.5に設定しました。