#254 2005年(平成17年)産業連関表における漁業の初期重量単価推計(その2)

今回の投稿は、投稿#204で行った、2005年(平成17年)産業連関表における漁業の初期重量単価推計の再検討および変化率の設定についてです。

初期重量単価の推計方法を整理

最初に、初期重量単価の推計方法について整理を行います。2000年産業連関表における初期重量単価の推計について、部門別品目別国内生産額表から各産業の生産単位、生産数量、生産額のデータを引用することを基本として、各産業の初期重量単価を以下の手順で推計しました。

  1. 産業内製品の生産単位が全て重量表示の場合、それらの値を用いて算出。
  2. 産業内製品の生産単位の一部が重量表示の場合、その一部のみを用いて1. と同様に推計
  3. 産業内製品の生産単位に一つも重量表示が含まれないが、重量換算値が既存の統計資料から得られる場合、その重量換算値を用いて重量に換算
  4. 産業内製品の生産単位に一つも重量表示が含まれず、重量換算値が既存の統計資料を得ることが困難な場合、全国貨物純流動調査(物流センサス)の出荷原単位を用いて重量単価を算出
  5. 既に推計が完了している他の類似の産業と重量単価が同等と仮定して推計
  6. より大きい分類の平均重量単価を利用
  7. 産出物の材料となる投入物の重量を推計
  8. 物量表の値を利用
  9. 産業の産出がないため重量単価を設定しない
  10. 橘ら(2012)が推計した2000年初期重量単価をそのまま利用

0311 海面漁業

品目別国内生産額表には、生産数量に関する記載がありませんでした。したがって、平成17年漁業・養殖業生産統計の生産量[t]の値を直接利用しました。

また、以下の細品目については、生産数量に関するデータを記載した統計資料を見つけることができませんでした。

  • 0311030201 捕鯨
  • 0311041701 養殖魚種の成長増加

よって、初期重量単価の推計方法は、2000年次と同じ2.になります。変化率下限・上限も2000年次と同様に、下限を-0.2、上限を0に設定しました。

0312 内水面漁業

品目別国内生産額表には、生産数量についての記載がありませんでした。したがって、平成17年漁業・養殖業生産統計に記載の生産量[t]を直接利用しました。

初期重量単価の推計方法は、1.となりました。2000年次は2.の方法で推計しました。推計方法は異なりますが、変化率下限・上限は2000年次と同様にして、下限を0、上限を0.2に設定しました。

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