#202 2005年産業連関表における畜産・農業サービスの重量単価初期値の推計

投稿#200より、平成17年産業連関表(統合小分類)の各品目の重量単価初期値を推計に取り組んでいます。今回は、畜産と農業サービスの重量単価初期値を推計します。

基本的には、品目別国内生産額表に生産量[t]と生産額[百万円]の両方の値が記載されている品目については、それらの値を直接利用しました。一方、品目別国内生産額表に生産額のみが記載されている品目については、生産量を他の統計資料を用いて推計を行っています。

0121 畜産

0121011001 生乳

物量表に生産量と生産額の両方が記載されていたので、それらの値を直接利用して推計しました。

0121019101 乳子牛(と畜向け)

平成17年畜産物流通統計における乳子牛(と畜向け)の出荷頭数に、乳牛(成牛)の重量0.6t/頭および成牛換算値0.4をかけることで、推計を行いました。

0121019102 乳子牛(肉用肥育向け)

平成17年(2005年)産業連関表(-総合解説編-)によると、畜産統計の乳用種飼養頭数及び畜産物生産費の出荷及び導入月齢を使用し、子牛出荷頭数を以下のように推計したようです。
$$
子牛出荷頭数 = 乳用種飼養頭数 × 12 + (出荷月齢 - 導入月齢)
$$

しかし、平成18年畜産物生産費には、出荷及び導入月齢についての記載がありませんでした。

そこで、平成23年(2011年)産業連関表(-総合解説編-)に記載の、畜産統計の出生頭数(乳用種おす、交雑種)を用いる方法を使用しました。

具体的には、平成17年畜産統計に記載の、出生頭数(乳用種おす、交雑種)に乳牛(成牛)の重量0.6t/頭および成牛換算値0.4をかけることで、推計を行いました。

0121019201 乳廃牛

平成17年畜産物流通統計における乳用牛(と畜向け)の出荷頭数に、乳牛(成牛)の重量0.6t/頭をかけることで、推計を行いました。

0121019801 乳子牛(搾乳向け)の成長増加(成牛換算)

平成17年及び18年畜産統計調査の飼養頭数を使用し、以下のとおり生産頭数を成牛換算したのち、乳牛(成牛)の重量0.6t/頭をかけることで、推計を行いました。
$$
生産頭数=1歳未満飼養頭数(18年2月1日現在)×0.4+1歳未経産牛飼養頭数(18年2月1日現在)×0.3+1歳未経産牛飼養頭数(17年2月1日現在)×0.3
$$

0121019802 酪農きゅう肥

平成17年畜産統計調査の年齢階層別の乳子牛飼養頭数を以下のとおり成牛換算し、畜産物生産費の牛乳生産費の副産物(きゅう肥)搬出量(搾乳牛1頭あたり)を乗じて推計しました。
$$
飼養頭数=1歳未満飼養頭数×0.4+1歳飼養頭数×0.8+2歳以上飼養頭数×1.0
$$

0121021001 鶏卵

平成17年畜産物流通統計の表番号3-2「鶏卵の月別生産量」における全国の鶏卵生産量の値[t]を直接利用しました。

0121021002 成鶏(含成鶏換算飼養羽数の増減)

0121021003 不正常卵

0121021004 鶏ふん

平成17年(2005年)は、農林業センサス実施年に当たるため、上記3品目を推計する上で必要となる採卵鶏の飼養頭数に関する調査が、平成17年畜産統計調査では行われていません。

そこで、0121021001 鶏卵の重量単価を算出し、より大きい分類である012102 鶏卵の平均重量単価とし、上記3品目の重量単価がそれと等しいと仮定した後、上記3品目の生産額を乗じて生産量を推計しました。

0121031001 ブロイラー

平成17年畜産物流通調査にブロイラーの出荷量(生体)処理量[t]が記載されていたので、その値を利用して推計を行いました。

0121031002 鶏ふん

平成17年(2005年)は、農林業センサス実施年に当たるため、鶏ふんを推計する上で必要となるブロイラーの飼養頭数に関する調査が、平成17年畜産統計調査では行われていません。

そこで、0121031001 ブロイラーの重量単価を算出し、より大きい分類の012103 ブロイラーの平均重量単価とし、0121031002 鶏ふんの重量単価がそれと等しいと仮定した後、生産額を乗じて生産量を推計しました。

0121041001 豚(含成豚換算飼養頭数の増減)

平成17年畜産物流通調査に豚の出荷頭数が記載されていたので、その値に成豚0.11t/頭をかけて生産量[t]を推計しました。
また、成豚換算飼養頭数の増減については、以下のとおり成豚に換算した後に、0.11t/頭をかけて重量換算することで、推計が可能となります。
$$
飼養頭数の増減 = (期末頭数) - (期首頭数)× 2/3
$$

ところが、平成17年(2005年)は、農林業センサス実施年に当たるため、成豚換算飼養頭数の増減を推計する上で必要となる豚の飼養頭数に関する調査が、平成17年畜産統計調査では行われていません。つまり、平成17年畜産統計調査には、豚の飼養頭数について記載されていないため、成豚換算飼養頭数の増減を推計するのは困難と判断し、豚の出荷量のみを0121 畜産の重量単価初期値の推計に用いることにしました。

0121041002 養豚きゅう肥

平成17年(2005年)は、農林業センサス実施年に当たるため、養豚きゅう肥を推計する上で必要となる豚の飼養頭数に関する調査が、平成17年畜産統計調査では行われていません。

そこで、既に生産量および生産額を推計した### 0121041001 豚の重量単価を算出し、より大きい分類の012104 豚の平均重量単価をし、0121041002 養豚きゅう肥の重量単価と等しいと仮定した後、生産額を乗じることで、生産量を推計しました。

0121051101 と畜向け肉用牛(含成牛換算飼養頭数の増減)

出荷頭数は、平成17年畜産物流通統計を使用し、以下のとおり成牛換算した後、0.75t/頭をかけて重量換算しました。
$$
出荷頭数 = 和牛 + 乳用肥育おす牛 + 和子牛 × 0.5 + (乳用めす牛 - 乳用めす牛 × 経産牛割合(0.587))
$$

また、飼養頭数の増減は、平成16年・17年畜産統計の飼養頭数を使用し、以下のとおり成牛換算した後、0.75t/頭をかけて重量換算しました。
$$
飼養頭数の増減 = 生後12ヶ月未満(前年差)× 0.4 + 生後12ヶ月〜24ヶ月(前年差)× 0.8 + 生後24ヶ月以上 × 1.0
$$

0121051102 肥育向け子畜

平成17年畜産統計の肉用種の生後12ヶ月未満の頭数に0.4をかけて成牛換算した後、0.75t/頭をかけて重量換算しました。

0121051201 きゅう肥

肉用種および乳用種別に平成17年畜産統計の飼養頭数を使用し成畜に換算し、単位頭数あたりの副産物(きゅう肥)を乗じることで生産量を推計することが可能となります。

ところが、肉用種及び乳用種の単位頭数あたりの副産物(きゅう肥)についての統計資料が見つかりませんでした。

そこで、肉用種及び乳用種の単位頭数あたりの副産物(きゅう肥)は、乳子牛の単位頭数あたりの副産物(きゅう肥)と等しいと仮定することで生産量を推計しました。

また、肉用種および乳用種別に平成17年畜産統計の飼養頭数を使用し成畜に換算する式は、以下のとおりになります。
$$
肉用種 = 生後12ヶ月未満(前年差)× 0.4 + 生後12ヶ月〜24ヶ月(前年差)× 0.8 + 生後24ヶ月以上 × 1.0
$$
$$
乳用牛 = 飼育頭数 × 2/3
$$

0121091001 羊毛

平成17年物量表に生産額および生産量が記載されていたので、それらの値を直接利用しました。

0121099101 馬(と畜向け)(含成馬換算飼養頭数の増減)

平成17年畜産物流通調査に記載の馬のと畜頭数に、0.8t/頭を乗じて重量換算することで、生産量を推計しました。

0121099102 軽種馬

一般的な販売サイクルを、4月に生産し翌年9月に販売すると定義し、軽種馬統計の生産統計を使用し、以下の推計式から頭数を推計し、最後に0.6t/頭をかけて重量換算しました。
$$
軽種馬 = 前年生産頭数 × 生存率(0.96) ÷ 育成期間(17) × 当年育成期間(8)
$$

0121099103 やぎ

平成17年畜産統計調査に記載のと畜頭数を使用し、主に肉用として利用されるボア種の平均重量0.11t/頭と仮定して、乗じることで重量換算しました。

0121099104 めん羊

平成17年畜産物流通調査に記載のと畜頭数を使用し、我が国で飼養されている主な品種であるサフォーク種の平均重量0.1t/頭を仮定して乗じることで重量換算しました。

0121099301 食鳥類(除鶏)

平成17年畜産物流通調査に記載のその他の食鳥の出荷量(生体)処理量[t]を直接利用しました。

0121099801 軽種馬の成長増加

一般的な販売サイクルを、4月に生産し翌年9月に販売すると定義し、軽種馬統計の生産統計を使用し、以下の推計式から頭数を推計し、最後に0.6t/頭をかけて重量換算しました。
$$
軽種馬の成長増加 = 当年生産頭数 × 生存率(0.96) ÷育成期間(17) × 当年育成期間(9)
$$

0121099 その他の畜産

これまでに生産量を推計した、0121099 その他の畜産 に含まれる細品目から、0121099 その他の畜産 の平均重量を算出します。

次に、以下の細品目については、より大きい分類である0121099 その他の畜産の平均重量に各品目の生産額を乗じることで生産量を推計しました。

0121099201 ミンク(原皮)
0121099202 うさぎ
0121099401 やぎ乳
0121099402 はちみつ
0121099403 うずらの卵
0121099501 上繭
0121099502 その他養蚕
0121099503 桑の葉
0121099504 桑の植物成長
0121099601 実験用動物
0121099701 その他の畜産(きゅう肥)

0131 農業サービス

農業サービスは重量を伴う製品を産出しないので、重量単価初期値は、0と推計しました。

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