#200 2005年産業連関表における耕種農業の重量単価初期値を推計
今回の投稿から、2005年産業連関表の各品目について重量単価初期値(単位:t/百万円)を推計していきます。今回は、耕種農業の重量単価初期値の推計についてです。
0111 穀類
平成17年産業連関表の物量表に、以下の細品目の生産数量[t]と生産額が記載されていたので、それらを直接利用して推計を行いました。
- 0111011 米
- 0111012 稲わら
- 0111021 小麦(国産)
- 0111022 小麦(輸入)
- 0111023 大麦(国産)
- 0111024 大麦(輸入)
0112 いも・豆類
以下の細品目については、平成17年産業連関表の物量表に、生産数量[t]と生産額が記載されていたので、それらを直接利用しました。
- 0112011 かんしょ
- 0112012 ばれいしょ
- 0112021 大豆(国産)
- 0112022 大豆(輸入)
(ここからの記述は、2023年8月22日に修正・加筆した箇所になります)
次に、以下の細品目については、部門別品目別国内生産額表に生産額のみ記載されていました。
- 0112029002 いんげん豆
- 0112029003 小豆
- 0112029005 らっかせい
そこで、平成17年産作物統計調査より、生産量を別途利用しました。
また、以下の品目については、品目別国内生産額表に生産額のみ記載されていました。
- 0112029001 えんどう(種)
- 0112029004 ささげ
そこで、平成17年産特産農作物生産実績に記載の生産量を別途利用しました。
次に、より大きい分類である 0112029 その他の豆類 の現時点での平均重量単価を推計し、生産額を乗じることで、 0112029099 その他の豆類 の生産量を推計しました。
以上で、全ての細品目において生産量[t]と生産額が出揃ったので、0112 いも・豆類 の重量単価初期値を推計します。
(2023年8月22日に修正・加筆した箇所はここまで)
0113 野菜
平成17年産業連関表の部門別品目別国内生産額表には、以下のように生産額のみが記載されています。
表200-1 平成17年部門別品目別国内生産額表(一部)
そこで、作物統計調査より、品目ごとの収穫量のデータを転記して重量単価初期値を推計することにします。
まず、部門別品目別国内生産額表に目を移すと、
かぼちゃ(露地)
かぼちゃ(施設)
というように、同じ作物で異なる栽培方法で生産額が分けられているので、
かぼちゃ
というように、作物名単体の列を作り、そこに、露地栽培と施設栽培の生産額の合計値を入力するようにしました。
次に、作物統計調査に目を移すと、こちらは作物名単体の列と、それぞれの作物の収穫時期別の収穫量のデータがあります。
だいこんを例に取ると、
だいこん(3)
春 (4)
夏 (5)
秋冬 (6)
というようにデータが並んでいますが、今回は、(3)のデータを使用することになります。
また、以下の品目については作物統計調査においても、また他の統計資料でも重量に関するデータが得られませんでした。
- その他の果菜類
- その他の漬菜
- たけのこ
- その他の葉茎菜類
- その他の根菜類
- もやし
今回は、より大きい分類の平均重量単価を推計し、品目別国内生産額表の生産額を乗じることで、上記の品目の生産量について推計を行いました。
(上記の太字部分は、2023年6月21日に加筆・修正した箇所になります)
0114 果実
平成17年部門別品目別国内生産額表には、生産額のみが記載されています。
そこで、作物統計調査の平成17年産果樹生産出荷統計から、品目ごとの収穫量のデータを転記して重量単価[初期値]を推計することにします。
みかんを例に取ると、みかん全種類のデータが「みかん」で、そのうちの種類ごと(早生温州など)のデータが「早世温州」などにあたります。
今回は、各果樹の全種類データを採用することにして、果樹毎の収穫量を部門別品目別国内生産額表から推計しました。
また、以下の品目の生産額については、より大きい分類の平均重量単価を推計し、品目別国内生産額表の生産額を乗じることによって、生産量を推計しました。
(太字の部分は、2023年6月21日に加筆・修正した箇所になります)
- その他のかんきつ
- かんきつ類の植物成長
- りんごの植物成長
- その他の果実
- その他の果実の植物成長
0115 その他の食用作物
平成17年産業連関表の物量表に、以下の細品目の生産数量[t]と生産額が記載されていたので、それらを直接利用して推計を行いました。
- 0115011 砂糖原料作物
- 0115021 コーヒー豆・カカオ豆(輸入)
- 0115029 その他の飲料用作物
- 0115091 雑穀
- 0115092 油糧作物
- 0115093 食用工芸作物(除別掲)
0116 非食用作物
011601 飼料作物
飼料作物のうち、以下の細品目については、生産量[t]を平成17年産作物統計から、生産額[百万円]は部門別品目別国内生産額表からデータを得ることができました。
- 0116011102 いね科
- 0116011103 まめ科といね科のまぜまき
- 0116011801 青刈りとうもろこし
- 0116011802 ソルゴー
- 0116011803 青刈りえん麦
(以下は、2023年9月3日に加筆・修正した箇所になります。)
0116011101 まめ科 については、平成12年品目別国内生産額表にて単価が 0116011102 いね科 と等しくなっていました。したがって、平成17年においても単価が等しいと仮定して、生産量を推計しました。
以下の細品目について、平成12年品目別国内生産額表では単価が等しくなっていました。
- 0116011804 家畜用ビート
- 0116011805 飼料用かぶ
そこで、平成17年においても両方の単価が等しいと仮定します。
0116011805 飼料用かぶ について、平成17年畜産物生産費より、「牛乳生産費」の「牧草(飼料作物)の費用価」から
- 10a当たり生産量
- 費用化
- 家族労働費
のデータを取得します。
以下の推計式より、0116011805 飼料用かぶ の重量単価を推計します。
$$
0116011805 飼料用かぶ の重量単価 = (10a当たり生産量[t]) / (費用化 - 家族労働費)
$$
重量単価が推計できたので、生産額を乗じることで生産量[t]を推計することができます。
また、以下の細品目については、平成12年品目別国内生産額表では単価が全て等しくなっていました。
- 0116011806 れんげ
- 0116011807 青刈りライ麦
- 0116011808 青刈りその他麦
そこで、平成17年においても上記3品目全ての単価が等しいと仮定します。
0116011807 青刈りライ麦 について、平成17年畜産物生産費より、「牛乳生産費」の「牧草(飼料作物)の費用価」から
- 10a当たり生産量
- 費用化
- 家族労働費
のデータを取得します。
以下の推計式より、0116011807 青刈りライ麦 の重量単価を推計します。
$$
0116011807 青刈りライ麦 = (10a当たり生産量[t]) / (費用化 - 家族労働費)
$$
重量単価が推計できたので、生産額を乗じることで上記3品目の生産量[t]を推計することができます。
011609 その他の非食用耕種作物
以下の細品目については、平成17年産業連関表の物量表に、生産数量[t]と生産額が記載されていたので、それらを直接利用します。
0116091 葉たばこ
0116092 生ゴム(輸入)
0116093 綿花(輸入)
0116099103 おうれん については、平成17年特用林産基礎資料に記載の生産量を別途利用しました。
0116099108 はとむぎ については、公益財団法人 日本特産農作物種苗協会の特産種苗9号に記載の収穫量を別途利用しました。
また、以下の細品目については、上記2つの細品目より求めた、より大きい分類である 01160991 薬用作物 の現時点での平均重量単価に、各生産額を乗じることで、生産量[t]を推計しました。
- 0116099101 おたね人参
- 0116099102 あまちゃづる
- 0116099104 がじゅつ
- 0116099105 サフラン
- 0116099106 しゃくやく
- 0116099107 とうき
- 0116099109 みしまさいこ
- 0116099199 その他の薬用作物
以下の細品目については、公益財団法人日本特産農産物協会の薬用作物及び和紙原料等に関する資料に記載の生産量を別途利用しました。
- 0116099201 こうぞ
- 0116099202 みつまた
- 0116099203 とろろあおい
以下の細品目については、生産量を別途平成17年産特産農作物生産実績に記載のデータを利用しました。
- 0116099301 い草
- 0116099302 しちとうい
また、以下の細品目については、より大きい分類である 0116099 その他の非食用耕種作物(除別掲) の現時点での平均重量単価を推計し、生産額を乗じることで生産量[t]を推計しました。
0116099899 その他の非食用耕種作物
011602 種苗、011603 花き・花木類
より大きい分類である 0116 非食用作物 の現時点での平均重量単価を推計し、分類されている各細品目の生産額を乗じることで、生産量[t]を推計しました。
以上により、0116 非食用作物 に分類される全ての細品目について、生産量[t]と生産額が推計できたので、重量単価初期値を推計します。
(ここまで、2023年9月3日に加筆・修正した箇所になります)
“#200 2005年産業連関表における耕種農業の重量単価初期値を推計” に対して2件のコメントがあります。