#151 2014年(平成26年)大阪府産業連関表における「林業」及び「漁業」の府内生産額を推計

今回の投稿は、2014年(平成26年)大阪府産業連関表における「林業」及び「漁業」の府内生産額の推計についてです。

林業

0151 育林

指標の対全国比×平成26年延長産業連関表(経済産業省)生産額により、府内生産額を推計します。指標は、「国勢調査」の「従事者数」になります。

「国勢調査」は2014年(平成26年)の直近の2カ年では、2010年(平成22年)及び2015年(平成27年)に行われています。

「国勢調査」において、0151(育林)に従事するのは「育林従事者」です。

総務省統計局「平成22年国勢調査 抽出詳細集計(就業者の産業(小分類)・職業(小分類))」の 表番号 01020 「職業(小分類),従業上の地位(3区分),男女別15歳以上就業者数」から、2010年(平成22年)の全国と大阪府の「育林従事者」の総数が得られます。

また、「平成27年国勢調査 抽出詳細集計(就業者の産業(小分類)・職業(小分類)など)」の表「従業上の地位(8区分),職業(小分類),男女別15歳以上就業者数」から、平成27年の全国と大阪府の「育林従事者」の総数が得られます。

[math-jax]そして、以下の算出式を用いて、直線補間法により2014年(平成26年)の「育林従事者」の全国と大阪府の総数を推計します。
$$
平成26年従事者総数 = 平成22年従事者総数+ (平成27年従事者総数−平成22年従事者総数)×
\frac{平成26年から平成22年までの4年}{平成27年から平成22年までの5年}
$$

0152 素材

素材

素材として、以下の品目が含まれます。

  • 製材用素材
  • 合板用素材
  • 木材チップ用素材

これらの生産額は、生産数量×単価で推計を行いました。

生産数量は、農林水産省「平成26年木材需給報告書」の 表番号 1-2-2 「素材需給の動向 素材生産量」より得ることができました。

また、単価は、農林水産省「平成26年木材需給報告書」の「調査結果の概要(木材価格の動向)」から得ることができました。

なお、生産数量の単位は千$\m^3で、木材チップ用素材の単価については、単位が円/tであったので、以下の密度で重量に換算しました。

  • スギ:$\0.4t/m^3
  • 広葉樹:$\0.8t/m^3

しいたけ用ほだ木の原木

生産数量×単価で推計を行いました。生産数量、単価ともに、農林水産省「平成26年特用林産基礎資料」から得ることができました。

薪炭材等の原木

平成23年(2011年)産業連関表総合解説編では、「木材需給表の生産量に生産林業所得統計のパルプ用(広葉樹)の単価を乗じて推計した」とあります。木材需給表には全国のデータしかなく、都道府県別のデータの記載がありませんでした。なので、推計方法はまた後日に検討することにします。

0153 特用林産物

平成23年(2011年)産業連関表総合解説編では、「きのこ類は生産林業所得統計の産出額を、それ以外は生産林業所得統計及び特用林産物生産統計調査の生産量に単価を乗じて推計した」とあります。本研究でも、同様に推計しました。

まず、農林水産省「林業産出額及び生産林業所得累年統計」より、以下の品目の産出額を得ることができました。

  • 生しいたけ
  • 乾燥しいたけ
  • ぶなしめじ

次に、林野庁「平成26年特用林産基礎資料」より、以下の品目について生産数量のデータを得ることができました。

表151-1 「平成26年特用林産基礎資料」において大阪府で生産が確認できた特用林産物

上記のうち、

  • くり
  • たけのこ
  • 木炭(黒炭)
  • 竹酢液

については、「平成26年特用林産基礎資料」に記載の単価を用いて府内生産額を推計することができました。

また、「木質粒状燃料」については、以下の資料を参考に単価を37.5円/kgと仮定することにしました。

第1部 木質ペレットの市場構造調査

漁業

0171 海面漁業

平成26年漁業生産額の大海区都道府県別生産額(海面漁業・養殖業)の値を直接使用しました。

0172 内水面漁業

0172-01 内水面漁業

農林水産省「平成26年漁業・養殖業生産統計」の 表番号 2 「内水面漁業漁獲量」によると、大阪府の内水面漁業漁獲量は全ての魚種において「-」( 事実のないもの)となっていました。

よって、「0172-01 内水面漁業」の府内生産額は0と推計することになりました。

0172-02 内水面養殖業

指標の伸び率で平成23年大阪府産業連関表生産額を延長する方法で推計を行います。指標は、「内水面養殖業従事者数」の伸び率になります。

最初に、2011年(平成23年)大阪府における内水面用職業従事者数を直線補間法にて推計します。

まず、農林水産省「2008年漁業センサス第7巻内水面漁業に関する統計」の 表番号 2-1「養殖業経営体」より、2008年の「内水面養殖業従事者数」の値を得ます。

次に、農林水産省「2013年漁業センサス第7巻内水面漁業に関する統計」の 表番号 2-1 「養殖業従事者数」より、2013年の「内水面養殖業従事者数」の値を得ます。

そして、以下の式より、2011年(平成23年)の「内水面養殖業従事者数」の値を直線補間法により推計します。

$$
2011年従事者数 = 2008年従事者数 + (2013年従事者数 - 2008年従事者数) × 3/5
$$

同様にして、2014年(平成26年)大阪府における内水面養殖業従事者数も直線補間法で推計を行います。

まず、農林水産省「2018年漁業センサス 第7巻 内水面漁業に関する統計」の表番号2-1「養殖業従事者数」より、2014年の「内水面養殖業従事者」の値を得ます。

そして、以下の式より、2014年(平成26年)の「内水面養殖業従事者数」の値を直線補間法により推計します。
$$
2014年従事者数 = 2013年従事者数 + (2018年従事者数 - 2013年従事者数) × 1/5
$$

最後に、2011年及び2014年の従事者数から、指標の伸び率を推計し、2011年(平成23年)大阪府産業連関表の「内水面漁業」の生産額を延長しました。

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